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武田徹×矢部万紀子×中沢明子×日比谷尚武「メディア分析ラボ #18 皇后と平成」

Description

平成の終わりに、美智子皇后の“働き方”を考える

 平成も終わろうとしています。多くのメディア、多くの企業が平成という時代を振り返っています。当然、皇室にまつわるエピソードを振り返る企画が目白押しです。我々“一般庶民”も、この時代の節目に皇室に関わるあれこれについて、井戸端会議的に語る機会が増えています。中でも美智子皇后は、その長年にわたる完璧な働きによって、尊敬され、語られることが多かった存在です。わかりやすい言葉であえて表現すれば、昭和・平成を通して“スター”であり続けた皇族の筆頭です。

 ただ、不思議に思うのは、美智子皇后について気軽に語り合うシンポジウムやトークイベントがほとんどない、ということです。皇族について語るトークイベントなんてややこしい事案は荷が重い、そもそも皇族に興味がない等々、理由はいくつかあるでしょう。でも、平成の終わりに無礼講で、気軽に語る会があってもいいのではないでしょうか。

 私は子供の頃から、美智子皇后を「スーパーキャリアウーマン」だと考えてきました。子育てをしながら、皇太子妃として目が回るようなスケジュールをこなし、ご自身の信念に沿った活動にも熱心に取り組む、芯の強さと祈りを感じさせる言動を見聞きするたび、「美智子さまが皇太子妃でよかった、いろんな意味で」と思いました。皇后になってからも変わらずに“働き続ける”姿を見るに、天皇制に賛成か反対か、という個々の信条はあるでしょうが、皇室が存在している以上、民間から皇室入りした女性が、夫の家業(!)である皇室の“仕事”をこんなにも完璧にこなしている、という事実に感銘を受けてきました。完璧な良妻賢母が理想的な女性像だというイメージを流布した点で罪深い、という見解もあるようですが、私はそうは思っていません。平たく言えば、「めっちゃ働くなあ。バリキャリ女性の先駆者だなあ」というイメージをずっと持ってきました。もちろん、私の持つイメージもまた一面的であり、人によって異なるイメージを持っているというのが前提です。

 そして、美智子皇后のような“働き方”を他の誰かに求めることは重荷になるだろう、と思っています。美智子皇后でさえ、かつて心身の健康を損ねたことがあったわけで、人生を賭けて示した完璧な皇太子妃・皇后像は一代限りと考えたほうが、みんなが気楽になる気がします。

 コラムニストの矢部万紀子さんは「美智子さまという奇跡」と表現していました。そうです、美智子皇后という存在は奇跡だったんだろうと思います。そして、とうとうその時代が終わりを告げる今、当ラボに以前ご登壇いただいたお二人、評論家の武田徹さんと矢部さんとともに、かしこまらない雰囲気で“美智子さまとその時代”を語り合いたいと思いました。また、この巻頭言を書きながら気づいたのですが、皇后をはじめ、皇族に対して「さま」という呼び方をするのは、特に女性誌に顕著な表現です。陛下でも殿下でもなく「さま」。「さま」と呼ぶか否か問題はなぜ起きるのか、といった点についても、少し気になったので、話題にできればと思います。

(ライター・出版ディレクター 中沢明子)

注:
当イベントはリアルの場で語り合うのを主旨としています。昨今のイベント時の流れに反していますが、SNSで一部分を切り取って発信するのはご遠慮いただければと存じます。

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◆ パネリストプロフィール
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武田 徹(たけだ とおる)
1958年生まれ。ジャーナリスト・評論家。東京大学先端科学技術研究センター特任教授、恵泉女学園大学教授などを歴任。国際基督教大学大学院修了。メディアと社会の相関領域をテーマに執筆を続け、メディア、ジャーナリズム教育に携わってきた。2000年『流行人類学クロニクル』(日経BP社)でサントリー学芸賞受賞。
著書に『偽満州国論』『「隔離」という病』(中公文庫)、『殺して忘れる社会』(河出書房新社)、『戦争報道』 (ちくま新書)、『原発報道とメディア』(講談社現代新書)、『原発論議はなぜ不毛なのか』『私たちはこうして「原発大国」を選んだ―増補版「核」論』(中公新書ラクレ)、『暴力的風景論』(新潮社)、『NHK問題——二〇一四年・増補改訂版』(KindleDirectPublishing版)等多数がある。
Twitter:@takedatoru


矢部 万紀子(やべ まきこ)
1961年生まれ。コラムニスト。83年朝日新聞社に入社、宇都宮支局、学芸部を経て「アエラ」、経済部、「週刊朝日」に所属。「週刊朝日」で松本人志のコラム連載を担当、まとめた『遺書』『松本』がミリオンセラーに。「週刊朝日」副編集長、「アエラ」編集長代理を経て、書籍編集部で部長を務め、2011年に朝日新聞社を退社。シニア女性誌「いきいき(現ハルメク)」編集長となる。17年に株式会社ハルメクを退社、フリーランスに。著書に『朝ドラには働く女子の本音が詰まってる』(ちくま新書)、『美智子さまという奇跡』(幻冬舎新書)。

(©️高山浩数)

中沢 明子(なかざわ あきこ)

1969年東京都生まれ。ライター、出版ディレクター。女性誌、ビジネス誌など幅広い媒体でインタビュー、ルポルタージュ、書評を執筆。延べ2000人以上にインタビューし、雑誌批評にも定評がある。得意分野は消費、流行、小売、音楽。著書に『埼玉化する日本』(イーストプレス)、『それでも雑誌は不滅です! 』(朝日新聞出版)、共著に『遠足型消費の時代』(朝日新聞出版)、プロデュース本に『ケチケチ贅沢主義』(mucco/プレジデント社)、『深読みフェルメール』(朽木ゆり子+福岡伸一/朝日新聞出版)などがある。



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◆ 開催情報
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日時: 2019年4月18日(木)19:30~21:00 (開場19:00)
会場: ジュンク堂書店 池袋本店 4Fイベントスペース
アクセス: 東京都豊島区南池袋2−15−5
参加費: 1,500円(税込) ※領収書の発行はありません
定員: 30名程度

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◆ タイムテーブル
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- 19:00 開場
- 19:30 開演
 テーマ「皇后と平成
 <パネリスト>
  ・ジャーナリスト・評論家 武田徹氏
  ・コラムニスト 矢部万紀子氏
  ・ライター・出版ディレクター 中沢明子氏
 <司会進行>
  ・Sansan名刺総研所長 日比谷尚武氏

Updates
  • イベント詳細情報を更新しました。 Diff#424522 2019-04-08 22:18:28
Thu Apr 18, 2019
7:30 PM - 9:00 PM JST
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Venue
ジュンク堂書店 池袋本店 4Fイベントスペース
Tickets
1,500円(税込・会場払い) FULL
Venue Address
東京都豊島区南池袋2−15−5 Japan
Organizer
メディア分析ラボ
407 Followers

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